「マットが欲しかったって言ってた魔王なんとかってエロゲ、あれどうしたの?
見当たらないんだけど」
G線上の魔王のことか。売った。
「…え?」
テレカも売った。合わせて8000円くらいになったし、元は取れただろ。
「たしかまだ開けてなかったわよね。なんでやってもないのに売るわけ?」
うーんと、少し長くなるかもしれないがショボいオタクなりに説明するか。
エロゲってのはまあ当たり前だが基本的にオタクがやるものだ。
オタクは限定やら初回版って言葉に弱い。同時に新品未開封ってのにもだ。
オークションで取引する場合、エロゲに限らず新品か否かで価格は変わる。
オタクグッズの場合、特にそれが顕著なんだよ。
エロゲだと中のディスクは新品でも、箱のビニールが破れてるならマイナスになるし。
G線上の魔王は原画集ごとまとめられてたからそのまま売った。
原画集なんていらないし、かといって単品で売れるか疑問だったから。
ゲームはやりたくなったらそのときに通常版のでも買えばいいだろう。
流通量から高価ソフトになるとは考えにくいし。
あとはテレカについて。
昨今は布モノやら増えてきたが、やはりエロゲ特典といえばテレカだ。
オタクのコレクション率が一番高いのもテレカだろう。
店によってテレカの絵柄は違うが、これがエロゲの売り上げと大きく関わってくる。
コレクターは気に入った絵柄のテレカが付く店ごとにゲームを予約するんだ。
だからメーカーは売り上げを伸ばすため、多くの店にテレカを流す。
もちろんこれはそう単純な話じゃない。
多数予約したコレクターはゲーム本体は売るし、
中古に流れれば流れるほどソフトの価格は下がり、利益率も下がる。
買取価格の値崩れを恐れてテレカをオークションで買うコレクターもいるし、
需要を見越して転売屋が多く買い占めたりする。
メーカー、ショップ、コレクター、転売屋…それと特典にこだわらないオタクと。
いろんな思惑が入り乱れてるんだな。
エロゲが多く発売される月末は、オタク市場は特に騒がしくなる。
まあ今の俺としては、抱き枕やら欲しい特典が手に入ればそれでいい。
見逃して、いつの間にか希少になり高額商品にならないようネットワークを張る。
普通のオタクにできるのはそれだけだな。
それでも供給規模が大きいから見逃したり、あとで欲しくなったりすることもある。
そんなときはしょうがない、ヤフオクやらで買うだけだ。
欲しくなったときが買い時。後悔するなら入札を。
「無職が物欲なんて、傲慢すぎるのよ」
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